Ruwatan di Tamansiswa
タマンシスウォのプンドポでルワタン Ruwatanが行われました。
ルワタン Ruwatan とは、心身の邪気を払うジャワの伝統儀式の一つで、日本でいう厄払いのようなものです。
ジャワでは、ブトロコロ Bathara Kala という人間を餌食にする鬼(ラクササ = Raksasa)がある項目に該当する人々(スクルト = Sukerta)を食べてしまう。と信じられていて、ブトロコロ Bathara Kalaに食べられないようにルワタン Ruwatanを行います。
ワヤンを使用するルワタン Ruwatanでは必ず
「ムルウォコロ Murwakala」の演目が上演されます。
この演目は通常のワヤンの演目とは異なり「マハーバラタ」「ラーマヤナ」物語からではなく、ジャワの古くからの信仰をワヤンの演目にしたものです
朝から正装に身をつつんだ人々が続々と集まり、儀式が始まりました。
まずは、スンクマン Sungkeman
参加者(スクルト = Sukerta)は両親にルワタンに参加する許しをこいます
その後「ムルウォコロ Murwakala」のワヤン上演が始まりました。
ダランは、キ・ステジョ ki Soetedjo dari gedong kuning
皆、神妙な面持ち。。。。ではなく(笑)ご飯を食べたり、談笑しながらワヤンを見守ります。
ワヤンも中盤にさしかかった頃、参加者(スクルト = Sukerta)たちは白い装束に着替え、ワヤンの後ろに整列し始めました。
ブトロコロ Bathara Kala からすれば、餌食たち大集合といった感じでしょうか(笑)
その間もワヤンの物語は淡々と進んでいきます。
そしてスクルト = Sukertaたちに小さな竹筒が配られ、ダラン(人形使い)の合図をきっかけに一斉に踏みつぶしました。(これはなんの意味があるのかわからない。。また調べておきます!)
ワヤンの物語も終盤にさしかかった頃、ダランからアナウンスが。
「今から
キドゥンガン Kidungan (お祈り、お経のようなもの)を読み上げます。この会場の中で妊娠している、または生理中の女性はこの会場から別の場所に移ってください。」
ルワタン Ruwatan の一番のキーポイントはこのキドゥンガン Kidunganを読み上げる事にあります。
その為、会場には細心の注意が払われ、ダランもこのキドゥンガンに全気力を投入します。
ブトロコロ Bathara Kalaは体内にいくつかの呪文を持っていて、それを読み上げられるとその人間を食べられなくなってしまいます。
ダランが代表してそれを読み上げることで、スクルト達の邪は祓われ、ルワタン Ruwatanは無事に終わったことになります。
そしてワヤンの上演が終了後、クリル(ワヤンを上演している白い幕)が少し開かれ、
ダランがスクルト達の髪を少しずつ切って行きます。
今までの邪気が完全に無くなるように。
最後に清めのマンディ( mandi =水浴び)をします。
最初に、ダランがマンディの水にマントラ(お経のようなもの)を唱え、スクルトにかけていきます。
その後、両親が同じように水をかけて儀式は終了。
地域によって儀式の方法は様々なようです。
ジャワの古くからの信仰と芸能が結び付いた儀式、ルワタン Ruwatanとても興味深いです。次回は、スクルト(ブトロコロの餌食になりえる人々)について書いてみたいと思います。